ISBN:462077054X 単行本 「毎日かあさん (カニ母編)」西原 理恵子 毎日新聞社 2004/03 ¥880

本日は、本屋に行ってぷらぷらと新刊を眺める。
西原理恵子著「毎日かあさん〜カニ母編」を購入。
彼女の漫画は昔から大好きで、ほとんどの単行本を持っている。

ただ、最近はちょっとパワーが落ちてきたかなと思うこともあり、今回はどうだろうかと期待しつつページを開く。

あっという間に読破。

率直にいってうれしい。彼女のせつなくて、そしてあたたかい視点が存分にあふれた作品だった。

彼女の作品はとっても辛らつな台詞や、悲惨な場が舞台となっていることも多いが、根底にあるのは「人を見つめるあたたかいまなざし」。

ボロかすな人にも彼女は「しょーがないな〜」といいつつも、見つめるまなざしはあたたかいのだ。人を無視したり、そもそも他人に関心がない風潮な昨今、彼女のように「観察者」でありながら、観察対象に対してあたたかである人は珍しい。

彼女は“人”がとっても好きなんだろうな。

そしてもう1つ凄いな、と思えるところは、ありふれた日常を書いていること。誰もがこんなことあったよな〜、こんな風景見たことあるよな〜と思える日常を、時にテンション高く、時に淡々と彼女は綴る。

読者にとっては、それは思い出の琴線に触れるんだよね。たとえ体験していないことでも、容易に想像でき、それは“楽しくって、悲しくって、せつなくって、あたたかい”ものを想い出させる。

いやー、不覚にも涙でそうになった話もありました。
さすがです。
今後も期待しておりますです。

コメント