ISBN:4334782760 文庫 「接客主義」松尾 貴史 光文社 2004/03/04 ¥880

松尾貴史(キッチュ)さんの「接客主義」という本を読んだ。
ワタクシの家は自営業なので、子どものころから両親がお客さんに接するところを見ていたので、接客業というのは大変なものよの〜と思う。

たいていはいいお客さんなのだが、たまに“とんでも”なお客さんだっているのだ。
ワタクシの家は婦人物の洋服を売っているのだが、すでに何度か着て洗濯もしているようなものを、サイズが違うから交換してくれとか、一般常識からいっても駄目に決まっとろう!!という理不尽な要求をする。

自分で考えても駄目だとわかりそうなのに、「客」というだけで理不尽なクレームをつけてくる。
そういうお客さんというのは、えてして高飛車だったりする。
「客」というだけでなんでも許されるわけではないということをわかってほしいものだ。

と、本の話に戻って、この本は編集者が見つけてきた、当時の流行のお店を訪問する。
ジャンルはいろいろだ。飲食店・エステ・料理教室・占い・ジム・デパートなどなど。
お店に実際に足を踏み入れサービスを受けた感想を、松尾氏は忌憚のない、そしてウィットをこめた文章で表現されていた。
なんじゃこりゃなサービスに関しても、ユーモラスに「なんじゃこりゃ」と正直に書かれていて、テレビや雑誌の流行のお店はとりあえず絶賛!ではないとことがすんばらしい!!

さらにこの本の皮肉に満ちているところが、
※○○○(お店の名前)は、×年に閉店しました。
と、そのお店の紹介の最後に書かれている注意書き(大爆笑)。

サービスが上等というわけでもない、ただの時流に乗っただけで知名度アップしたお店ばかりが、このような末路をたどるんだ〜(笑)というのが丸わかり。

とりたてて面白い!と笑える本ではないが、淡々とした松尾氏の語り口とユーモアを交えた忌憚のない意見は、一読をお勧めします。

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