ISBN:4990073037 単行本 北尾 トロ 鉄人社 2003/11 ¥1,365

北尾トロ氏の「裁判長!ここは懲役4年でどうすか 100の空論より一度のナマ傍聴」を読んだ。
この本は北尾氏が裁判所に通って見た裁判に対するエッセイなわけだけど、この本ではじめて傍聴マニアなる人々がいることを知った。
すごいよね〜“傍聴マニア”だよ。

北尾氏ははじめは面白い(ちょっと不謹慎?)裁判に行き当たる確率が低かったようだが、この傍聴マニアの人々と知り合うことによって、裁判の奥深さにどんどんハマっていく。

このマニアさんたちのすごいところは、ある人は裁判長、被告、事件などの詳細をデータ化している、データ魔の人や、今の興味は裁判所関連の人事(爆笑)だというマニアさんや、一回傍聴した裁判は結審まですべて見るというマニアさんなど、その熱心さだ。
マニア諸氏にいわせると、裁判長の判決も大方予想がつくという。

さらに含蓄のあるマニアさんの言葉も紹介されている。
「こういう事件を傍聴して家に帰ると、女房がテレビドラマなんかみてるじゃない。もう、バカじゃないかとね」
架空のドラマなんかよりも、すごい事件が現実で起こっているのである。
そうした架空のドラマにはない緊張感にハマる人が多いんだろうな。

これから陪審員制が導入されるかもしれないし、一度は裁判を傍聴してみてもいいかもしれない。

気軽に・・・というわけにはいかないが、裁判を傍聴してみるのもいいかもしれないと思わせる本だった。
北尾氏が何度も書いていたことだが、
“被告の席にいるのは、もしかしたら自分だったかもしれないのだ”
というように、被告になっている人は極々普通の人がある日を境に犯罪者になってしまうことは多々あるということを思い知らされる。
そして裁判では、プライベートなことなどが証拠として発表されてしまう。

悪という誘惑に負けそうなあなた、裁判を傍聴してみては?きっとそこ(被告席)に立つのなんて真っ平ごめんって思うかもしれませんよ。

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